「秋田の活力2016」を開催

2016年3月7日

Filed under: お知らせ — 水土里ネット秋田 @ 3:23 PM

◇◆秋田の「活力」が揃いました◆◇

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2月20日、メトロポリタン秋田で「高質な田舎づくりに向けた実践フォーラム秋田の活力2016」が開催され、150名の方が参加しました。

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基調講演では、「農と消費者の橋渡し」と題してNPO法人東北開墾の高橋博之代表理事が貴重なお話をしてくれました。隣県岩手で震災後に、「血縁関係でもなく、人と人とのつながりを作ってみんなが帰れるふるさとを作る」ということで食べ物付き雑誌「食べる通信」を発行。その食べ物を捕ったり、作ったりした生産者の人生にフォーカスを当てて、あえて食べ物を「付録」にした逆転の発想。3年間で100の「ご当地食べる通信」の創刊を目指し、2014年度から始めた試みは現在21誌が生まれています。また、「食べる通信」ではSNSコミュニティを発達させ、生産者との交流が容易にすることができ、より近い存在と感じられるような仕組み作りを行っています。秋田県でも、潟上の米農家さんが「食べる通信」に参加しており、悪条件で機械が入ることができず読者さんに呼びかけて手狩りで稲刈りが間に合って救われた等、「食」で結ばれた「絆」を感じる事が出来ました。

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次に行われたパネルディスカッションでは、シェアビレッジ町村の武田昌大氏が「年貢を納めて村民に!?五城目シェアビレッジプロジェクト」と題して2015年から始めている仮想村での村民の生活ついてお話して下さいました。一軒の古民家を「村」に見立て、その村を維持するための経費として「年貢」を徴収します。年貢を払った人は村民となり、宿泊や農作業体験で村を訪れる事が出来ます。忙しくて年に1回も秋田に来れない人のために、都市部で定期飲み会を開催して「寄合」としたり、一揆や村歌など様々な催しを通して、人と地域を結んでいます。また、釈迦内SP実行委員会の日景賢悟さんから「共に創る豊かな未来~ひまわりの郷釈迦内2015~」では、小学校を核としたキャリア教育を実践しながら「ひまわり」で地域ブランド作りを行っていることをお聞きしました。「ひまわりフェスティバル」というお祭りでは、ババヘラを改造した「ひまわりアイス」の販売や案山子の展示を行い6日間で1,000人の参加者があったそうです。これからも、子供達の未来のためにひまわりを植え続け「地域で顔の見えるお付き合いの深化」を目指しています。

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次に神代活性化協議会の浅野慎太郎氏が「6次産業体験で地域の担い手を育成する事業」として、地域の担い手である子供達に、実際に6次産業のスキルを学ばせ、1次2次産業を実体験することを通して地域を好きになり、愛着が持てるような教育事業を紹介しました。地域の特産物を使った「あんべいいなチャーハン」の開発や、子供達だけで運営する「キッズマート」など、様々な方法で仙北市を元気にしており、新聞やテレビでも取り上げられました。最後は、水土里ネット秋田が事務局を努める「水土里の野菜倶楽部」の発表。Akitaふるさと活力人養成セミナーの1期生でもある嵯峨秀樹さんが発表しました。仁井田地区の伝統野菜の復活を軸に、それに係わる学校や地域との連携を通して、人材育成ネットワークの拡大を図ります。今までに行ってきた大住小学校の児童・生徒との農業体験の実績や、地域の人たちと共に作り、収穫した仁井田大根を漬物にした話しなど、今年度の集大成を発表しました。会場には、水土里の野菜倶楽部有志の方達も応援に来てくれていました。来年度は、仁井田大根の地区での育成をより増やせるよう、一層の広報活動を行って行きたいと思っています。

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個人の発表の後は、国際教養大学の熊谷教授をコーディネーターに迎え、パネリストの方々と会場を繋ぎました。会場からは「移住してきてビジネスを始めるところなのですが、地域の人たちとどういった風に係わればいいですか」との質問が出て、「地域の行事には必ず顔を出す。また、距離を縮めるためにどこかに行ったときにはお土産を買ってきて配る」といった答えや「お酒を何度も飲み、『実は…』と話してくれるまでの仲になる」といった答えを頂き、会場の方も納得の表情を浮かべていました。

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最後に県の施策紹介が行われ、来年度もこの試みを実施する事と、新規事業についても同様に募集することを発表しました。熊谷先生は「悪い意味でなく審査が軽いので、新規事業を始めたい人もどんどん募集する」とのことでした。新しい「秋田の活力」が大きな渦となって農山村地域を盛り上げていってくれたらと思います。