湯沢市立駒形小学校「雪中田植え」

2015年2月19日

Filed under: お知らせ — 水土里ネット秋田 @ 8:16 PM

◆◇雪国伝統の小正月行事を体験◇◆

集合

2月19日、湯沢市立駒形小学校にてふるさと学習の一つ「雪中田植え」が行われました。大倉地区の高橋義輝さんら地元協力者や、資源保全会、水土里ネット稲川(稲川土地改良区)を中心に、今年で12回目の開催となります。今回、水土里ネット稲川の21世紀土地改良区創造運動の一環ということで、私もお邪魔させて頂きました。「雪中田植え」は、庭先に稲わらを植え、田の神様に五穀豊穣を祈願したのが原形となっている、伝統的な小正月の行事です。

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大野校長先生は「この行事には4つの大切なことがあります。1つ目は、豊作を願う大切な行事であること。2つめは昔から伝えられてきた行事を守って欲しいという願いが込められていること。3つ目は、昔の人々の稲を作る努力を学んで欲しいこと。4つ目は、皆さんが住んでいる駒形地区のことを学んで欲しいということです。この4つを充分に感じて、今日の行事を楽しんで下さい」と話しました。

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ホールには、ワラや草履、米俵、箱ぞりなどが飾られ、懐かしい囲炉裏の空間が再現されていました。用意されたワラは、駒形小学校の5年生の児童が田植えをして収穫した稲を使用。5年生の藤原君は「雪中田植えをとても楽しみにしていました。特に、僕たち5年生は春から代掻き・田植え・稲刈り・脱穀、そして縄ない教室と、田んぼに関する勉強をずっと教えてもらって、今日がそのフィナーレ。来年の豊作を祈りたいです」と歓迎の挨拶をしてくれました。

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髙橋さんの「今日の朝、まんま(ご飯)食べてきた人?」という質問に、ほとんどの生徒が手を上げていました。「ご飯を食べることで、何でも粘る強く頑張れる。何はなくとも、ご飯と味噌汁はしっかり食べて欲しい」と、食の大切さを説きました。髙橋さんは即興で米俵を編み、米俵の重さを児童に体験させていました。

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講話後、昨日からグラウンドに作っていた、四方に木杭を立てしめ縄で囲った「神の田」にて、全校生徒101名で雪中田植えを行いました。しめ縄は縄ない教室で児童が編んだものを結んで使用しています。代表生徒の10人が、菅笠やケラ、ミノボッチ(山草で頭部を四角い頭巾風に編み、身体部分をミノゲラに編んだもの)やサンペ(ワラの長靴)といった伝統衣装を身にまとい、模範で田植えを行った後、各学年それぞれワラの束を持ち、全校併せて470束のワラを植えました。

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雪の田んぼで田植えが終わると、二礼、二拍、一礼をして、一年の豊作と家内安全を祈りました。会場ではミニかまくらで「農の生け花」も同時に開催されており、最後にみんなで記念写真を撮りました。

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髙橋さんは「農村地域に住む子どもたちに昔から伝承されてきた大切な民俗行事。雪中田植えの講話でも毎年違ったものを見せなくてはと、楽しく考えている。身体が続く限りは続けていきたい」と話しました。6年生の代表生徒は「伝統あるこの行事を後輩達にも引き継いで、ずっと大切にしていって欲しい」と話し、振る舞われた甘酒に笑みをこぼしていました。