6月21日(水)に由利本荘市土地改良区西目地区維持管理委員会主催の「大潟ため池豊作祈願祭」へ参加してきました。
当日のお天気は大雨でしたが、この儀式は雨乞いの行事なので参加者の祈りが通じたようだとの話が聞こえてきました。
土地改良区や関係機関約60名が集まり、西目発電管理事務所から山道をバスで30分かけて移動し、鳥海山の麓で降りました。
そこから約30分、山道を歩いて大潟ため池を目指しました。
晴れていると、とてもきれいに鳥海山が見えるそうです。
この日はみなさん傘をさして一生懸命歩いて行きました。
そして、どんどん山の中に入っていきます。
ため池に近づくにつれて、雨は次第に弱まっていきました。
奥へ奥へと進む一行に、果たしてたどり着けるのだろうかと不安になっていた頃、ようやく鳥居が見えました。
早速祈願祭の準備に取りかかります。
龍神様へお供え物を捧げ、潤沢な水が全ての生命に行き渡るよう、参加者一丸となり祈願しました。
この豊作祈願は200年も続く伝統ある行事です。
文政11年に開田のため潟の干拓された土地の中に「龍が池」という池があり、その池から大潟ため池に龍神様が移り住んだと言われています。
干拓が終わり、潤沢な水の恵みをお願いする際はうるち米で作った御神餅を笹舟で流すと龍神様が出てきてくれるという言い伝えから、この豊作祈願は続いています。
御神餅は時代の変化と共に生卵になり、現在は途中で割れる危険性からゆで卵へと変化していきました。
参加者のみなさんで御神酒を飲み、いよいよため池の方へ降りていきます。
ため池にも御神酒を捧げ、ゆで卵を竜神様へお供えするために、ため池に向かって力一杯投げ入れます。
由利本荘市土地改良区西目地区維持管理委員会の三浦委員長は「水というのは、生きていく上で全てにおいて必要なものです。だからこそ、みなさんと仲良く使っていかなければなりません。今年は、昨年度よりもため池の貯水量が良いため、今日の願いが叶って一年中潤沢な水が行き渡るようにご参会のみなさんと協力して夏を乗り越えたいと思います。」と語っておりました。
200年経った今でも、私たちは水問題に直面しながら生活をしています。
豊作祈願の行事を通して私たちが水に生かされていることや、自然への畏怖と感謝を忘れてはならないと改めて考えさせられました。