第4回小水力等発電導入技術力向上地方研修

2015年1月16日

Filed under: お知らせ — 水土里ネット秋田 @ 5:23 PM

◇◆鶴岡高専丹名誉教授らが講義しました◆◇

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1月14日、秋田市にぎわい交流館で「平成26年度小水力等発電導入技術力向上地方研修(第4回)」が開かれ、県や土地改良区など約30人の関係者が参加しました。開会にあたり、秋田県農業水利施設活用小水力等発電推進協議会の水戸事務局長(本会常務理事)が、「再生可能エネルギーについて国を挙げて取り組む姿勢が見られ、今後ますますの展開が期待されている。小水力発電は、視点を変えることによって地域でより活用出来るような地域型エネルギーであると思うので、本協議会を通し沢山の土地改良区で維持管理できる体制までを作り、農業農村の活性化につなげていきたい」と挨拶し、3団体による講義が行われました。

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「小水力発電はどんな地点にポテンシャルがあるのか」アジア航測株式会社:佐口室長

小水力発電に求められる要素から、ポテンシャルの高い場所は「流量が多い」「落差が大きい」「流れが速い」「流量変動が少ない」「ごみが少ない」所であり、一つのものに当てはめるのではなく、多方面から判断する必要があるとし、中でも農業水利施設は、水の流れをコントロールするために整備されてきているため、小水力発電には好条件が揃っており、ダムやため池、落差工など様々な場所で可能性を検討する価値が十分にある。

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「可能性調査秋田地区における具体例(中間報告)」管理情報部:佐藤次長、加藤班長

平成26年度小水力発電可能性調査では、堤高20m以上または貯水量1,000千m以上のため池の下流水路、取水量0.1m/s以上の水路等(許可水利と慣行水利)、事業主体の導入意欲等を選定条件としており、県北地域で5ヵ所、中央地域で15ヵ所、県南地域で10ヵ所の計30ヵ所で調査を行った。そのうちの3ヵ所について、具体例を示しながら設置の可能性について話した。平成27年度は数カ所を事業化にむけて調査し、28年度は国営施設を含め10ヵ所の可能性調査を行う方針。

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「マイクロ小水力発電装置の実施体験から」鶴岡高専:丹名誉教授

丹先生は、ポンプや風車の研究を行っていたが、農業用の水路で小出力で安価・シンプルなシステムで行える「小水力発電」にいち早く目を付け、「出羽水車」を設計・開発した第一人者である。実際に市や土地改良区の協力を得て発電実験を開始し、ゴミを通過させる「オープンクロスフロー型」、水路の水を止めなくても使用出来る「可動導水路方式」などを導入。また、街頭などに利用できる運搬可能な「花笠水車」や、モニュメント用の「搖道水車」「浮き水車」なども開発。また、一番重要になるは、小水力発電の誘致や設置ではなく「雇用の創出」であり、地元の資源を地元の力で設置・維持管理ができることである。