「水土総合強化推進事業技術実践研修」開催!

2014年3月13日

Filed under: お知らせ — 水土里ネット秋田 @ 6:03 PM

◆◇県や改良区を始め、全県から多数の方にお越し頂きました◇◆

 

3月11日・12日、秋田市と大仙市で水土里ネット秋田主催による「平成25年度水土総合強化推進事業技術実践研修(技術力向上事業)」が開催された。

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(写真:3/11ルポールみずほ会場にて)

※水土総合強化推進事業技術実践研修(技術力向上事業)とは、農業農村整備関係技術者を対象に、事業推進に関する基礎的、専門的知識の習得を通して技術力向上を図り、業務の円滑な推進に資することを目的に開催しています。

講義内容は、まず管理情報部・福岡主任の「水利権と河川協議について」。

「河川法」について、その目的や協議区分など、現在使用している農業用水を引いてくるに至るまでのプロセスが垣間見られるような説明を受けた。

また、昨今全国的な取り組みが進められている「小水力発電」についての情報提供があった。

その中でも印象に残ったのが、小水力発電にも通常の発電と「従属発電」があり、従属発電は農業用水の範囲内で発電するため、河川の流量に影響を与ので水利使用許可の一部を省略できるようになったこと

従属発電

さらに、1000kw未満の水利使用についても、河川法の改正で国から都道府県知事に権限が委譲されたということだ。

小水力

このことから、農業用水路等で行う小水力発電が今後普及されていくことが示唆された。

 

次に、九州大学決断科学センターの黒江美紗子助教授による「土地利用の違いが野生動物の分布を変える~『田んぼのかたち』が語ること~」。

黒江助教授は昨年まで秋田県立大学で教鞭をとっており、水土里ネット秋田のGISシステムである「水土里情報」を活用して、秋田市内等で生き物(害虫やカエルなど)の生息密度予測地図を作っている。

IMGP8153 蛙生息

その中で、「水田の形と生物の生息に相関性がある」とし、「より小面積の田んぼに生息している可能性が高い」とおっしゃった。

そういった点からも、食料生産と生物の多様性を分けた農業の展開というものを今後の日本農業の課題としていかなければと考えさせられた。

 

最後は、総務企画部・鶴田主任の「新会計細則に対応した会計システム~複式会計の導入を見据えて~、土地改良賦課システムについて」

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水土里ネット秋田版会計システム「ミラウド会計」は、新「土地改良区会計基準」に基づいた会計処理や複式簿記会計の導入について積極的かつ効率的に取り組める環境を構築することを目的として開発された。来年度は、県内の半数近い改良区で導入を予定している。

また、今回はじめて賦課システムについての説明も行われ、より簡潔な賦課収納業務の提案がなされた。

 

以上3者の発表は、分野は違えど、農業やそれを取り巻く環境において今後ますますの技術発展を予感させるものであった。

今後もそれぞれの活動に注目し、水土里ネット秋田のHPでも新たな取組等を紹介していきたいと思う。

 

 

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:::講師紹介:::

黒江美紗子(くろえみさこ) 九州大学にてGCOEプログラム「アジア保全生態学」の特任助教

平成22年5月 東京大学にて博士号(農学)を取得
平成23年4月~   秋田県立大学 流動研究員
平成24年11月~   九州大学理学部 特任助教 
 

なお、この様子は九州大学決断科学プログラムのfacebookページでも紹介される

https://www.facebook.com/ketsudankagaku

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※訂正:3月25日発行「秋田の土地改良479号」8Pにも「水土里総合強化推進事業技術実践研修」の記事が載っていますが、福岡主任の発表したタイトルを間違って掲載してしまいました。

×「水利権摂取と河川協議」→○「水利権と河川協議」

 


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